コラム

あなたは赤い星が好きですか?

赤い星
実際に赤く見える星は意外と少ないのです。
あなたは赤い星が好きですか?

赤い星は暗い

天空に光る多くの恒星は主系列星です。
恒星の温度と明るさはほぼ比例していて、温度が高いほど明るく見えます。
温度は低い方から 赤、黄、白の変化し最も高温が青い星です。

惑星の表面温度

惑星の表面温度

ですから赤い星は一般的には暗いので肉眼で見るには苦労します。
ただし、赤い星でも桁違いに大きくなると見ることができます。

これが赤色巨星です。

オリオン座のベテルギウス

オリオン座のベテルギウスは赤色巨星の代表格です。

シリウス、プロキオンとともに冬の大三角のひとつなので見つけるのは簡単です。

ひところは盛んに爆発して超新星になるのではないかと話題になりました。

アルデバラン

赤い星として有名なのはおうし座のアルデバランです。

ベテルギウスと比較的近い位置にいますが、アルデバランの方が明るい赤い星です。

冬の夜空には、シリウス、カペラ、リゲル、ポルックス、ポルックスなどオールスター勢揃いです。ベテルギウスとアルデバランもそれらの一角ですね。

アンタレス

冬の夜空は派手ですが、夏の空も見どころは満載です。
夏の大三角から少し離れたところにさそり座のS字が見えます。
その中心は蠍の心臓ともいわれるアンタレスです。

赤い恒星としてはアンタレスが最も有名かもしれません。

アンタレスも赤色巨星で、直径は太陽の680倍です。

アンタレスの名前は「アント」と「アレス」が組み合わさったものです。

アントは「反対する(アンチ)」とか「似ている」などと解釈されます。

アレスは火星のことで、マルス、マーズとも呼ばれます。

つまりアンタレスは「火星に対する」「火星と比べるに値する」星です。

ときどき「アンチ」と「タレス」と紹介する人がいますがそれは間違いですね。タレスは火星ではなく古代ギリシアの哲学者あるいは数学者です。

火星も赤い星

アンタレスの基になった赤い星が火星です。

火星は惑星ですので自ら発光はしません。
太陽光のスペクトルから赤い光だけを反射しています。
火星の表面の酸化鉄すなわち錆がよっぽど赤いということです。

火星はその赤さゆえに戦いの神になぞらえられます。

フォボスとダイモスのふたつの衛星を持ちます。

火星人がいたり、火星年代記があったりする一方で探査機によって調査もかなり進んでいたりもします。
神秘の星であり、身近な星でもあるのが火星です。

執筆者: 青田ちひろ

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